PS5のDualSense修理:ホールエフェクトを超える「TMRセンサー」を導入!ドリフト再発を徹底防止

Dualsenseドリフト修理 修理

プレイステーション、Nintendo Switch、Xboxなどに付属のコントローラーでアナログスティックを操作していないにも関わらず勝手に入力状態になることを”ドリフト”と言います。
コントローラーがドリフト状態になるとゲームのキャラが勝手に動いたり思った場所に動かせなかったりしてとてもストレスになります。

以前にポテンションメーターを交換する記事を投稿しておりますが、今回は最近導入したTMRセンサーのスティックに交換修理していく記事となります。

2025年8月29日現在でホールエフェクトセンサースティックの交換は終了してTMRセンサースティックのみに移行しております。

ドリフトの原因

ポテンションメーターの不具合

ポテンションメーターとはスティックの横に付いている部品で内部の黒い円が二つあります。この外周と内周がどの位置で繋がったかを検知して、コントローラーはスティックの倒れる方向や倒れてる角度を検知します。
ドリフトの原因の殆どはこれで摩耗による汚れや内部に溜まった汚れによって正常に電気信号が流れない為に起る場合が殆どです。汚れの場合は清掃によって直りますが長期間使うと摩耗によって中の金属が削れてしまい、その場合はポテンションメーターの交換となります。

スティック本体の不具合

スティック本体の軸が劣化によって緩んだ場合もドリフトは起ります。この場合は大きな不具合は少なくスティックを軽く逆方向に押したりすると収まったりします。これはポテンションメーターの不具合でも見られる不具合なので判別は付きにくいですが、スティックの軸が劣化した場合はスティック本体を交換となり少し作業が複雑になります。

TMRセンサースティック

ゲーム好きの方なら、最近よく耳にするようになったかもしれませんが、従来の接点式ポテンショメーターではなく、磁石の位置をセンサーで検知して傾きを読み取る「非接触型スティック」が主流になりつつあります。
当店では従来のホールエフェクトセンサーから、さらに進化した TMR(トンネル磁気抵抗)センサー搭載スティック を導入しております。

TMRセンサー自体は比較的新しい技術ですが、近年の精度向上と安定性の高さからゲーム用スティックに採用され始めています。
最大の利点は、磁力を使うためセンサーと磁石の間に物理的な摩耗が発生せず、従来のスティックに多かった 摩耗によるドリフトが極めて起こりにくい ことです。
さらにホールエフェクトセンサーと比べても感度が高く、より細かい入力や安定したニュートラルポジションが得られる点で優位性があります。

もちろん、スティックの軸自体の機構は従来と同じため、物理的に破損する可能性はゼロではありません。しかし通常使用において軸が壊れることは稀であり、TMRスティックに交換するメリットは非常に大きいといえます。

実際、私自身のプライベート用DualSense、DualShock 4、ProコントローラーをすべてTMRスティックに交換して使用していますが、これまでノントラブル・ノーメンテナンスで快適にプレイできています。特にDualSenseは使用時間が長いと従来スティックでは定期的なメンテナンスが必要でしたが、TMRセンサーに交換後はその手間から完全に解放され、ストレスが大幅に軽減されました。

DualsenseTMRスティック

動作チェック

依頼者のお子様が右に入れるときだけ入力が遅れるとの事でした。

点検したところ通常時のドリフトはしておらず回したりしても特に問題ありませんでしたが、右に入力を入れてぐりぐりするとニュートラルに戻る瞬間がありました。これは一番めんどくさいタイプの不具合で自分の操作方法が悪かったりするのか分かりにくく中々故障か判断しにくいかと思います。

お子様ナイス判断です!

修理の流れ

基板の取外し

まず、DualSenseの基板を取り外すためにケーブル類を取り外していきます。DualSenseには、ロットによってアダプティブトリガーのモーター配線がフラットケーブルにまとめられているバージョンとアダプティブトリガー用のモーターが別途配線されているタイプがあります。

取り外す際には、慎重に作業を進めることが大切です。誤った操作はコントローラーの故障や損傷を招く可能性がありますので、専門知識や経験を持つ技術者に依頼するか、十分な情報を得た上で行うことをお勧めします。作業中は注意して進め、配線や基板に負荷をかけないように心掛けてください。

Dualsense分解01

スティックの取外し準備

はんだ付けでプラスチックを溶かしてしまう可能性とヒートガンを使うのでプラスチックに耐熱用のカプトンテープ養生しておきます。また、ポテンションメーターもスティックと一緒に外すとなると少し外しにくくなるのでポテンションメーターだけ先に取り外す為に開いておきます。

次に低融点はんだ(融点138度)で追いはんだしておきます。

次に基板用のバイスに取り付けてポテンションメーターを取り外します。

Dualsense分解05

ポテンションメーターが取れたら、一度はんだをきれいに吸い取り、融点90度前後の「自作低融点はんだ」を流し込みます。
ひと手間かかりますが、まずは市販の低融点はんだで「洗浄」するように元のはんだを追い出してから、自作のものを盛るのが私のこだわりです。こうすることで、はんだが混ざって溶けにくくなるのを防ぎ、ヒートガンの温度を大幅に下げて作業できるようになります。
お客様の大切なコントローラーだからこそ、基板を傷めないための最善の準備を欠かしません。

最後にヒートガンを使ってスティックを取り外します。この時のヒートガンの温度は250度です。

全部取れたら残りのはんだを吸い取って清掃をします。清掃はメラミンスポンジを使って清掃します。

Dualsense分解09

スティックの取り付け

ホールエフェクトのスティックを取り付けてまず手でしっかりと押さえ隙間が無いことを確認して2箇所仮はんだし、その後全体にフラックスを付けてしっかりとはんだして行きます。

はんだが終わったらマイクロスコープではんだの状態を確認して足りないところや盛り過ぎな部分を直していきます。

はんだが終わったら組み立ててパソコンと接続して校正していきます。

センターと外周範囲の校正

DualsenseとDualshock4は現在Webサイトを使ってスティックのセンターと外周の範囲を校正することができます。これは公式のサービスではないので操作を間違えると起動不能になったりしますので必ず取り扱う際はサイトの説明をしっかりとお読みください。

DualShock Calibration GUI

こちらのサイトを使ってセンサー調整と校正をします。

左が外周の校正前で右が校正後です。校正前はほぼ四角ででしたが校正後はほぼ円でエラーレートはだいたい3~8%程度になります。未改造のDualsenseがだいたい3~10%程度なので十分使用できる範囲かと思われます。(どうしても当たり外れがあるため必ず3~8%程度に収まるわけではありませんがこれを超える場合は当店では違うスティックに交換しております。)

テストプレイ

最後にASTRO’s PLAYROOMのDualsenseの体験モードを使ってコントローラーの基礎機能をテストします。問題無ければアクションゲームなどを1時間ほどプレイして問題無ければご返却となります。

テストプレイを含めるのでだいたい1~2時間程度でご返却となります。

まとめ

PS5と一緒にDualsenseの方値上がってしまったのでドリフトで困ってる方は買い換えより長持ちするホールエフェクトセンサースティックの交換ご検討してみてはどうでしょうか?この他にDualshock4やプロコンもホールエフェクトセンサー交換やっております。

前述しましたがドリフトが全く無くなるわけではないですが、通常よりかなりの長寿命になりますので本当にお勧めです。

【2026年4月28日 追記:修理後の経過報告】 先日、2年前にホールエフェクトセンサーへ交換修理を行ったお客様よりお問い合わせをいただきました。「いよいよ不調か?」と確認したところ、原因はスティックの動作(ドリフト)ではなく、指で触れるゴム部分の物理的な劣化によるものでした。

わずか500円のスティック交換を行い改めてテストした結果、2年経過してもドリフトは一切発生しておらず、精度も良好なままでした。 また、私自身がプライベートで1年以上ハードに使用しているTMR版DualSenseも、現在までノートラブル・ノーメンテナンスで快適に動作しています。長寿命化の効果を改めて実感しております。

Earth BoundではPlayStationの修理の他にNintendo Switchなど他のゲーム機の修理も受け付けております。

特に、Nintendo SwitchやPlayStationは修理部品が豊富に御座いますので即日対応ができる場合が多いです。
「起動しない」、「充電ができない」、「ゲームカードが読み込まない」、「水没」、「画面を割ってしまった」など例を挙げたもの以外にも様々な故障にに修理対応致します。

 

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