【PS5修理】BLOD(青ランプ)で起動しない原因|点灯したまま・すぐ消える症状別に解説
今回は、PlayStation 5の「BLOD(Blue Light of Death)」の修理事例をご紹介します。ご相談いただいた症状は、「電源を入れると青いランプが点灯するものの、すぐに消えてしまい起動しない」というものです。
一口にBLODといっても、青ランプの出方によって故障している場所は大きく異なります。この記事では、「点灯したまま」と「すぐ消える」の症状別の違いと、今回の修理の流れを解説します。
※「ピッ」とビープ音が鳴るだけでライトが点かない場合は、こちらの記事をご覧ください。
BLODとは?青ランプの出方で原因が変わる
BLODは「Blue Light of Death」の略で、PS5の電源ランプ(青ライト)が青く光ったまま、または点滅したまま起動できなくなる症状を指す俗称です。
ただし、当店で修理していると、同じBLODでも次の2つに分けて考えるのが重要だと感じています。
- 青ランプが点いたままの状態
- 青ランプが点灯してすぐに消える状態(ショートBLOD)
この2つは故障の場所も、修理の難易度も異なります。
青ランプが点いたままの場合:メモリ・APU・サウスブリッジの故障
青ランプが点灯し続ける場合は、本体が電源投入の途中までは進んでいるものの、その先の起動シーケンスで止まっている状態です。このケースでは、次のような部品の障害が原因になっていることが多くなります。
- メモリ(GDDR6):データのやり取りができず、起動が先に進まない
- APU(メインチップ):CPUとGPUが一体になった心臓部の障害
- サウスブリッジ:ストレージなど各種入出力の制御を担う部分の障害
いずれもメイン基板上の高密度な部品で、修理には専門的な設備と技術が必要です。診断によって原因箇所を絞り込めても、修理難易度が高くなる傾向があります。
青ランプがすぐ消える場合:電源ユニット・メイン基板と原因が多岐にわたる
一方、青ランプが点いてすぐに消えるショートBLODは、原因がさらに幅広いのが特徴です。
PS5の電源ユニットは12Vを基板へ供給し、基板側でその12Vから各部の電圧を作っています。そのため、次のどちらに問題があっても、起動直後に保護回路が働いて電源が落ちることがあります。
- 電源ユニット側の故障:12Vが安定して供給できない
- メイン基板側の故障:電圧を作る回路や、その先のラインにショートなどの異常がある
つまり「ランプがすぐ消える」という症状だけでは、電源ユニットとメイン基板のどちらが原因かを断定できません。さらに基板側でも、故障箇所は一つとは限りません。
そのため当店では、見た目の症状だけで部品を交換するのではなく、まず切り分け診断を行います。
UARTエラー診断で原因を絞り込む
修理に入る前に、ビープ音の記事と同様、UART(ユーアート)通信でエラーログを読み出します。PS5はフレームを取り外すだけで診断用ポイントにアクセスでき、歴代モデルの中でもメンテナンス性に配慮された設計です。


エラー診断で一瞬で故障箇所が特定できるわけではありませんが、「電源回路の異常なのか」「メモリやAPU周辺なのか」といった方向性を大きく絞り込めます。やみくもな部品交換を避け、データに基づいて修理方針を立てることが、修理の成功率を高めるポイントです。
原因追及とメイン基板修理
UART診断の前に、初見でショートの疑いがあるエリアを発見
実は今回は、UART診断を行う前の初期点検の段階で、すでに気になる点がありました。基板の電源ラインをテスターで確認したところ、コンデンサの一部にショートが出ているエリアがあることが分かったのです。
UART診断の結果もこの見立てと合わせて見ることで、「電源系のショートが原因である可能性が高い」と判断し、方針を立てやすくなりました。
低電圧を流してサーモグラフィでショート箇所を特定
ショートしているコンデンサは、見た目の焼損や亀裂がなく、外観だけでは判断できないことも少なくありません。そこで今回は、ショートしているラインに低電圧を流し、サーモグラフィでその様子を確認する方法で探しました。
ショートしている部品には電流が集中して流れるため、その部分だけがわずかに発熱します。サーモグラフィで基板全体の温度分布を見ると、発熱している箇所がはっきり浮かび上がります。この方法で、ショートによって発熱しているコンデンサを見つけ出すことができました。

目視と、コンデンサを一つずつ外してテスターで確認する方法だけでは、膨大な時間がかかることがあります。サーモグラフィを使うと、原因の部品を短時間で絞り込めるのが大きな利点です。
複数のブロックがショートしていたが、最初のチェックで発見できた
今回の基板では、いくつかの電源ブロックでショートが起きていました。どのブロックから確認するかによっては、原因箇所にたどり着くまでに時間がかかっていた可能性があります。
しかし、最初にチェックしたブロックで原因のコンデンサを見つけられました。正直なところ、運が良かったケースです。ショートしているブロックが複数ある場合、一つを直しても別のブロックに異常が残っていることがあるため、修理の際は、基板全体の状態をあらためて確認します。
特定した故障箇所と修理内容
ショートが解消したので後はコンデンサの交換と一緒にご依頼されていた背面部のUSBポートの交換も行いました。




組み上げと高負荷テスト
起動が確認できたら、本組みに入ります。PS5のAPUの冷却には通常のグリスではなく液体金属が使われているため、一度きれいに清掃したうえで塗り直します。こうした細かなメンテナンスの積み重ねが、修理後の安定性を左右します。
組み上げ後は、実際にゲームを起動して最終チェックを行います。
今回は丁度SAROSをプレイしておりましたので休憩序でに2時間ほど動作チェックを行いました。
また、USBポートの動作チェックも行い問題無く認識もできたことを確認。


まとめ:BLODは「青ランプの出方」で診断が変わる
- 青ランプが点いたまま:メモリ・APU・サウスブリッジなど基板上の主要部品の障害が疑われる
- 青ランプがすぐ消える:電源ユニット・メイン基板のどちらも原因になり得て、切り分け診断が必要
BLODは、ご自身での判断が難しい症状です。むやみに分解せず、まずは専門店にご相談ください。
Earth Boundでは、ゲーム機やパソコンの修理を受け付けております。見積もり診断は基本無料です。症状を拝見したうえで、修理が可能か、費用と期間の目安をお伝えします。
PlayStation 5・PlayStation 4・PlayStation 3の修理に対応しています。電源が入らない、青ランプが点滅する、映像が映らない、熱暴走で落ちるなどの症状や、コネクタ・ドライブの破損、基板レベルの修理も可能です。修理部品が豊富なため、症状によっては即日対応できる場合もあります。
修理料金の目安は料金ページ、ご依頼の流れは修理依頼ページをご覧ください。
また、配送にて全国からのご依頼も承っております。
お支払も修理内容をご確認後納得してからの後払いとなっております。
この記事でご興味を持っていただけた方は、お気軽にお問い合わせください。
修理の様子はX(@eb_ainan)でも随時紹介しています。

